私が家業の材木屋に勤め始めた昭和55年頃のことですが、製材所には、4000×105×30サイズの栂材が5本ずつ1束に縛って、積んでありました。
これが担げないくらいに重く、しかも担ぐと肩がびっしょり濡れました。
なぜかというと、これはグリーン材で、なんと含水率は50%。4×0.015×0.03×5本=0.063立方メートル ですから、63リットルの半分で31リットル(31キロ)、つまり、半分水を担いで運ぶようなものです。ちなみに、当時の柱材などは、立てて在庫しましたから、本当に水が下がってきて、倉庫の床が濡れたものです。当時、多くの製材所では、丸太を水に浮かべて貯木し、濡れた木材つまり、上に述べたような栂のグリーン材を製材して、在来工法の木造住宅を盛んに建てていたものです。
日本にツーバイフォー材が入り始めたのは、丁度その頃でした。
ツーバイフォー材は、北米の内陸から貨車で港に運ばれてきますが、米国では、貨車の運賃は重量で計算されますから、初めからドライ材(乾燥材)で、含水率は15%以下でした。一方日本では、運賃が体積で計算されるので、乾燥させる作業は、無駄なコストということで、もっぱらグリーン材(未乾燥材)が流通していました。
ドライ材が、グリーン材と比較して優れている点は、重量だけでなく、施工性能にもいえます。同じ大きさ、つまりボリュームならば、軽いほうが施工の際に、有利に決まっています。というわけで、現在は、殆んど、ドライ材しか流通していません。
ツーバイフォー材は、エアードライ(自然乾燥)されてから、キールンドライ(機械乾燥)されて製品になります。強度で少し劣る点がありますが、これを面材という考え方の工法(つまり、ツーバイフォー工法)によって補っているのです。まことに、合理的な発想だと思います。